緩和ケア

高齢者や認知症の介護と障がい者や難病患者を支援する情報をご紹介します。

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抗がん剤の副作用対策について、ご紹介します。

脱毛
・現在、早く治す薬はなく、予防する方法もありません
・帽子をかぶったりやカツラを紹介する
・美容面で辛いので、心のケアを心がける
・投与を中止して1~2ヶ月で再び毛は生え始め、半年でほぼ回復する
・髪質は2年ほどで元に戻る

・これらのことを伝えるだけでもよい

吐き気、嘔吐
・初回の投与で吐き気を感じると、またなるのではという不安から繰り返すことがある。そのため、治療を始める前に嘔吐しにくくなる薬をあらかじめ投与しておく。
・嘔吐の原因が臭いや視覚など、ある種の刺激によることもあるので、何が原因かを考えてみる。

だるい
・はっきりとした原因は分かっていない
・睡眠をしっかりとり、休息をとるようにする

手足のしびれ
・抹消神経の障害は、マッサージをしたり、温めたり、動かしたりすることで軽減できる。

国立がん研究センターの「がん薬物治療の原則」
1.そのがんに対して標準的な治療である
2.患者の栄養状態など体力がある。全身状態が良い
3.臓器(腎臓、肝臓、心臓、肺、脊髄)が適切に機能している
4.インフォームドコンセントが得られている


最近は、肌をきれいにするカバーメイクの開発が活発になっています。患者さんがメイクをすることで前向きな気持ちになり、治療にもよい影響が生まれているからです。

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2014.03.14 07:45 | 緩和ケア | トラックバック(-) | コメント(0) |
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抗がん剤の副作用について、ご紹介します。

細胞障害性の抗がん剤
細胞分裂を阻害する薬のため、がん細胞以外の正常な細胞にも影響が及びます。

特に、毛根、消化管の粘膜、骨髄など、よく分裂する細胞に副作用が現れやすい。

抗がん剤の主な副作用
消化管
・口内炎、嘔吐、食欲低下、便秘、下痢
抹消神経
・手足のしびれ、不自然な動き
自律神経
・排便、排尿の不調、起立性低血圧
皮膚
・じんましん(汗腺の多いところ)、色素沈着
脊髄
・白血球、赤血球、血小板の減少、貧血
過敏症
・血圧低下、呼吸困難、血管性浮腫、頻脈
その他
・不整脈、肺炎、心臓、肝臓、腎臓の機能障害

分子標的薬
がん細胞だけがもつ特徴的な分子に対して効き、がんの増殖や転移を抑えます。
・乳がん:ハーセプチン
・肺がん:イレッサ
・大腸がん:アバスチン


最近では、がん以外の正常な細胞への副作用があることが報告されています。
主な副作用
・重い皮膚の湿疹、高血圧、出血、脳梗塞、心筋梗塞、胃や小腸や大腸に穴が開く

抗がん剤の副作用は、使用を中止すれば1ヶ月ほどで回復すると言われていますが、しびれや痛みといった不調が半年以上続く患者さんも少なからずいます。

介護者はそうした不安や苦しみを受け止められるか否かがとても大切です。

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2014.03.13 09:03 | 緩和ケア | トラックバック(-) | コメント(0) |
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抗がん剤の特徴と使用目的について、ご紹介します。

抗がん剤の特徴
抗がん剤は、細胞障害性抗がん薬というがん細胞の増殖を抑える薬です。

全身に作用するため、正常な細胞にまで影響し有害な作用も現れます。

そこで、作用の仕方が違う複数の抗がん剤を少しずつ組み合わせて有害な作用を減らしながら効果を高める多剤併用療法が一般的です。

通常、一度に全てのがん細胞を死滅できないため、繰り返し投与する必要がありますが、投与を繰り返すと、薬剤耐性で薬が効かなくなることもあります。

抗がん剤の目的
抗がん剤は全身に作用するので、転移したがん細胞を死滅させる効果があり、がんの塊を除去する手術や放射線と組み合わせて全身のがんを死滅させて治癒を目指すことが一般的です。

しかし、がんの成長を抑えることから、治療だけでなく、延命、再発予防、症状改善、緩和の目的でも使用されます。

緩和目的で使用する抗がん剤
緩和目的で抗がん剤を使う場合、QOLが低下しないことが重要です。

通常、鎮痛剤より優れた効果がない限り、緩和目的で抗がん剤は使いません。

つまり、緩和ケアとして抗がん剤を使うのは、治癒の可能性が低い人か、がんが転移したり再発した人に限られます。

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2014.03.12 10:16 | 緩和ケア | トラックバック(-) | コメント(0) |
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身体の苦痛を取る方法について、ご紹介します。

身体の苦痛を取る代表的な方法
1.手術
2.抗がん剤
3.鎮痛薬、医療用麻薬
4.神経ブロック
5.放射線療法


手術で痛みを軽減する
・手術は体への負担が大きく、術後の回復にも時間がかかるため、体力があり、状態は良好、しかも、余命が数ヶ月以上期待できる場合、検討します。

患者さんや家族が手術を望んでいることが必要ですが、リスクもあるため、よく考えてから決めなければなりません。

緩和目的とする手術の具体例
・がんが骨に転移して骨折
→金属で固定、大腿骨頭置換など
・腸が詰まって、腹が痛む
→癒着を取り除く、人工肛門を作るなど
・食道が詰まって、食べられない
→胃瘻(いろう)を作る
・尿路が詰まって、腎臓に水が溜まる
→腎瘻(じんろう)を作る

胃瘻、腸瘻、腎瘻とは、皮膚に瘻孔(ろうこう)を開けて体内の臓器と管でつなぐことです。

胃瘻、腸瘻は管を通じて食べ物を胃腸へ送り、腎瘻は腎臓の尿を管から体外へ出すことが出来ます。

手術後に、炎症や手術痕に痛みが生じたり、神経や組織が傷ついて痛むこともあります。すると、患者は不安感や孤独感が増し、さらに痛みを増す、悪循環に陥ることもあります。

緩和を目的とする手術を行う場合、このようなリスクもあることを十分、考慮しないといけません。


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2014.03.11 10:37 | 緩和ケア | トラックバック(-) | コメント(0) |
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緩和ケアの専門家について、ご紹介します。

緩和ケア医
・通常の病気の治療とは別に苦痛を取り除くことに習熟した医師のことです。

現状では、緩和ケア専任の医師は数が少なく、内科や外科の医師が兼任して主治医となるケースが多いです。

平成19年4月、がん対策基本法の施行により、がん治療に関わる全ての医師は緩和ケアの研修を受けることになりました。今後は、緩和ケアに詳しい医師も増えていくことでしょう。

緩和ケア認定看護師
・身体だけでなく心のケアにも習熟した看護師のことです。

その他、がん化学療法看護、がん性疼痛看護、乳がん看護、がん放射線療法看護、皮膚・排泄ケアの認定看護師も緩和ケアに関わります。

専門看護師
・熟練した看護師であるだけでなく、看護師への教育、保健・医療・福祉全般のサービス提供者の相談や調整も担う専門職です。

がん看護、精神看護、小児看護、地域看護の各専門看護師がいます。

精神看護専門看護師のうち、リエゾン精神看護専門看護師は、重度のストレスを抱える患者さんやその家族、スタッフなどの心のケアを行います。

認定看護師や専門看護師は、看護師だけでなく介護職や他のケア提供者からの相談にのることも重要な仕事のひとつです。

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2014.03.10 10:21 | 緩和ケア | トラックバック(-) | コメント(0) |
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スピリチュアルな苦痛について、ご紹介します。

人は、死が迫っていることを知ると、「なぜ」と自問します。

自分の価値、人生の意味、死ぬことなど、宗教を信じている人は神や仏との関わりを考え込みます。

スピリチュアルペインとは、希望、絶望、人間の尊厳、孤独、愛などが強く現実味をおびて迫る中で生まれた魂の叫びとも言える深い苦痛のことです。

スピリチュアルペインの具体例
人生の意味
・もっと生きたい
・何のために生きてきたのか
・今までの人生への後悔
・早く死ぬしなない
自分の価値や尊厳
・自分はダメな人間だ
・もう何もできない
・人に負担をかけたくない
・人と会いたくない
・自己嫌悪
不信感
・何か隠されている
・もっといい治療法があるはず
・医者が真剣に診ていない
愛情
・配偶者、子供、両親、親友を残して死ねない
孤独
・なぜ自分だけがこんな目にあうのか
・この気持ちは誰にもわかってもらえない
死生観
・死への恐怖
・死とは何か
・死んだらどうなるのだろう
宗教的な苦痛
・神に見捨てられた
・ばちがあたったのか
・死んだら地獄へ落ちるのか

緩和ケアにおける4種類あるトータルペインの中で最も重要です。一方、ケアも難しいのですが、介護職員が一番大きく手助けのできる領域です。


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2014.03.09 07:24 | 緩和ケア | トラックバック(-) | コメント(0) |
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先ず、心理的な苦痛について、ご紹介します。

人は、不安や恐怖などを感じると、交感神経が強く働きます。

交感神経は体内で痛みを検出する器官を過敏にするだけでなく痛みを伝える神経も活発にします。

筋肉は緊張し、圧迫された血管からは痛みを起こす物質が放出されます。

このようなストレスはさらに交感神経を刺激し痛みの悪循環となります。

また、心が沈んでうつの状態になると、脳の中で痛みを感じにくくしているセロトニンが減少し、さらに、痛みを感じやすい状態になってしまいます。

不安や恐怖の他、怒り、悲しみ、落ち込み、混乱、イライラなども同様です。

次に、社会的な苦痛について、ご紹介します。

社会的な苦痛の具体例
経済的な問題
・医療費、入院費、生活費は大丈夫か
家族のケア
・自分が死んだら家族はどうなるのか
患者の介護
・誰が自分の介護をするのか
・家族に迷惑をかけたくない
人間関係
・家族、友人、医療スタッフとの関係
・意見の対立がある
・会いたい人がいる、会いたくない人がいるなど
相続の問題
・家族、親族との関係
仕事や学校
・仕事や学業ができない
・仕事の引継ぎや収入減
療養場所
・家に帰りたい、ホスピスに入りたいといった希望に拘わらず、一般病棟で死ぬことなど

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2014.03.08 07:35 | 緩和ケア | トラックバック(-) | コメント(0) |
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トータルペインについてご紹介します。

トータルペインとは、全人的苦痛とも呼ばれる以下の4つの苦痛です。
1.身体の苦痛
身体の痛み、便秘、息苦しいなどの苦痛
2.心理的苦痛
不安、孤独、悲しみなどの苦痛
3.社会的苦痛
お金、人間関係などの心配といった苦痛
4.スピリチュアルな苦痛
人生の意味を根底から問われる苦痛

つまり、トータルペインとは、病気による痛みだけでなく、ケアの相手を人間としてとらえる姿勢の考え方です。

身体の苦痛は、痛みだけではありません。以下に具体例を示します。
全身の症状
・だるい、むくみ、不眠など
消化器の症状
・食欲不振、吐き気、消化管のつまり、お腹のはり、便秘、下痢など
呼吸器の症状
・咳こみ、息苦しさなど
神経の症状
・かゆみ、麻痺など
泌尿器の症状
・尿もれ、尿が出にくいなど

上記のように様々な症状があります。例えば、痛みがなくともかゆくてたまらないと間違いなく苦痛と感じるでしょう。

身体の症状は、投薬や放射線などの治療により緩和します。ところが、それでも取れない身体の痛みが約1割ほどあると言われています。その場合、マッサージや体位変換などで和らぐケースもあります。

それでも取れない苦痛は、後述する精神的な理由などが関係しているかもしれません。

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2014.03.07 07:40 | 緩和ケア | トラックバック(-) | コメント(0) |