
嚥下障害と嚥下障害のための食事
嚥下障害食の条件
1)物性の条件
・食塊形成がしやすい
・滑らかな通過
・のどごしがよい
・密度が均一である
※ゼラチンは嚥下障害食に適した素材であるが、融点が低いため室内温度が高いと溶けやすい
2)栄養学的な条件
・レバー、かつお、うなぎなど、栄養価の高い食材を適宜利用するとよい
・各種経腸栄養剤や栄養強化食品を嚥下障害食の材料として利用すのもよい
・ビタミンAの多い食品は免疫力を高める
・ビタミンDの多い食品は骨を丈夫にする
・ビタミンCの多い食品はコラーゲン(腱、皮膚)をつくり、褥瘡予防にも効果的
3)食欲を高める条件
・患者の好みを考慮する
・盛り付け(見た目)を工夫する:器を含め、色や形は食欲を左右する大きな要素である
・適切な温度:温かい料理は60度以上、冷たい料理は15度以下で提供する
・よい香り:スパイスや香味野菜(生姜、セロリ、パセリ、パクチー、大葉、芹、三つ葉)などによって表面に香りをつけるとよい
・その他、照明や内装、音楽、周囲の風景、室温、食事相手、会話の内容など、極めて多くの要素によって食欲は左右される
※空腹感は本能であるが食欲は本能ではない。このため、気持ちよく食事ができるように、できるだけ多くのよい環境を整える必要がある
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嚥下障害と嚥下障害のための食事
生活の質(QOL)
・食べる楽しみは「人生最後の楽しみのひとつ」と言われている
患者・被介護者のQOLを高めるための柔軟な考え方
1)工夫して変化のある物を楽しく食べる
2)たくさん食べることを強制しない
3)おいしく感じていないものを強制しない
・経管栄養を併用して、好きな物、おいしく感じるものを安全な程度に少量食べる方法もある
食事時間をかけ過ぎる問題
1)疲れる
2)他の楽しみごとができない
3)外出や通院に支障が生じる可能性がある
嚥下障害食
→嚥下障害を起こしている患者が誤嚥をすることなく、円滑に食事が摂取できる形態のもの
・プリン、ゼリー、豆腐のような形態
・ポタージュやくず湯のような食事
軽症の場合
・いも類の含め煮、グラタン、クリームコロッケ、コンポート、ふろふき大根、リゾットなど
・ねぎとろ、やまいも、テリーヌ、温泉卵、卵豆腐など
嚥下障害食への取り組み方
1)口腔ケアが第一
・口腔内の衛生状態は感染症の発生にも関係しており、大変重要。
2)既製品の利用
・品質管理された市販の嚥下障害食を利用することは、時間短縮、人件費(手間の)削減にとっても有効な手段である
・レトルト食品、冷凍食品、缶詰など
3)専門チームの支援
・医師、管理栄養士、言語聴覚士、看護師などの専門家によって組織された医療チームがあることを、医療機関を選ぶときの一つの判断材料にするとよい
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嚥下障害と嚥下障害のための食事
嚥下障害
→加齢とともに生じやすく、食べ物や飲み物をうまく飲み込むことができなくなった状態
嚥下障害が疑われる主な症状
1)むせる
2)咳をする
3)痰の性状と量
4)咽頭異常感や食物残留感
5)嚥下困難感
6)声の変化(ガラガラ声)
7)食欲の低下
8)食事内容にお変化
9)食事時間の延長
10)食べ方の変化(上を向いて食べる、汁物と交互に食べる、口からこぼれる)
11)食事中の疲労
12)口腔内の汚れ(ひどい歯垢、食物残差)
嚥下障害の仕組み
1)機能的嚥下障害
・中枢神経障害(脳血管障害、パーキンソン病、アルツハイマー病、脳炎、多発性硬化症、腫瘍、頭部外傷など)
・末梢神経障害(多発性脳神経炎、腫瘍、外傷など)
・神経・筋接部疾患
・筋疾患(筋無力症、筋ジストロフィー症、多発性筋炎など)
・心因性・ヒストリー
・薬剤性
2)構造的嚥下障害
・腫瘍
・炎症性疾患(扁桃炎、扁桃周囲腫瘍、咽頭蓋炎)
・食道炎
・悪性腫瘍による狭窄
・潰瘍
・口腔・咽頭の外的圧迫
・食道への外的圧迫
嚥下障害の問題点
・食べにくい、飲み込みにくい、時間がかかるなどの症状があるために、食事を取っていても栄養素や水分の摂取不足のなりやすい
・容易に食べられるものばかり食べていると栄養素の偏りも出現する
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嚥下障害と嚥下障害のための食事
咀嚼と嚥下の関係
・歯の欠損が10本以上になると、咀嚼機能は明らかに低下する
・食塊を嚥下可能な状態になるまで小さくすることが出来なくなり、嚥下にも支障をきたす
咀嚼の役割
・食物を砕いて消化液に触れる表面積を広くする物理的消化機能
・食物から味覚誘因物質を引き出して食欲を高める
・栄養素の化学的消化(消化液による消火)を容易にする
・咀嚼障害がある場合、歯の治療や義歯装着による咀嚼機能の改善を図る必要がある
咀嚼・嚥下能力の低下
・摂取食品の種類を限定してしまう
・比較的やわらかい食品の摂取量を増加させてしまう
・一般に、水分と糖質中心の食事内容になりやすく、エネルギー以外のタンパク質、ビタミン、ミネラルなどの必須栄養素の摂取不足を招きやすい
・その結果、PEMの誘因となることもある
正常な嚥下のしくみ
1)先行期:食物を目で見て、口に入れるまで
2)準備期:口腔への取り込みから食塊の形成まで
3)口腔期:食塊をのどに送り込む時期
4)咽頭期:「ごっくん」と飲み込む瞬間
5)食道期:食道に入った食物が食道の蠕動運動と重力の作用で胃へ送り込まれる時期
他人に食べさせてもらう場合
・まだ食塊を飲み込んでいないうちに次の一口が運ばれたり、口の中が空になっているのに次の一口が運ばれて来なかったりするので、大変食べにくい
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高齢者の食事に必要とされる栄養素
高齢者の栄養上の配慮
4)十分なビタミンとミネラルの補給
・特に抗酸化ビタミンであるA及びカロテン、C、E
・動脈硬化の予防に効果があるK、Mg、Ca、Znなどのミネラルの十分な摂取を心掛ける
カルシウム
・食事摂取基準では1日600mgとしているが、骨塩量低下予防を目的として800mg/日以上を確保する
鉄
・潜在性鉄欠乏貧血並びに老人性貧血予防のため、10mg/日は摂取したい
食塩
・本態性高血圧の予防、脳血管障害発症予防のため、10g/日未満を目標とする
・これらの疾患にすでに罹患している場合、6mg/日未満とする
カリウム(K)
・ナトリウムの尿中排泄を促進し、動脈硬化性疾患の予防に寄与するため、3500mg/日以上を目標とする
リン(P)
・リンはカルシウムの吸収を阻害するため、リン酸塩を多く含む加工食品は控え、700mg/日以下を目標とする
マグネシウム(Mg)
・心疾患、不整脈、神経疾患などの予防のため、摂取不足に注意する
・男性:280~300mg/日、女性:240~260mg/日を目標とする
しっかりとした主食の摂取
・エネルギー比で50%以上は確保する
・理想とされている糖質のエレルギー比は55~60%
・果物、乳製品、野菜、砂糖などの調味料の糖質量を加えて55~60%を目標とする
適度な油の利用
・脂溶性ビタミン(A、D、E、K)の吸収促進と必須脂肪酸の適度な摂取のため、1日1食程度は植物油を利用した料理とする
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高齢者の食事に必要とされる栄養素
簡単な栄養リスクの判定
2)体重
・体重は極めて重要な栄養状態を判定するための指標である
・1ヶ月で5%、3ヶ月で7.5%以上の体重減少がある場合、栄養不良(エネルギー不足)と判断される
3)浮腫
・浮腫を伴う多くの疾患が存在するが、特に原因となる疾患が見当たらない場合、ナトリウム過剰摂取、低たんぱく血症も疑う
4)低コレステロール血症
・160mg/dl以下
・摂取不足または低栄養状態の可能性を疑う
・肝硬変などの肝機能低下によっても肝臓におけるコレステロール合成は低下する
5)アルブミン値
・3.5g/dl以下
・但し、脱水により増加するので注意が必要
6)上腕周囲長(AC)、上腕三頭筋皮下脂肪厚(TSF)などの測定
7)抹消血総リンパ球数の把握
8)その他、ヘモグロビン、ヘマトクリットなど
高齢者の栄養上の配慮
1)たんぱく質の十分な摂取
・1.2g/kg以上を確保するため、高たんぱく食品や特殊食品(プロテインパウダー、高たんぱく経腸栄養剤など)の利用を考慮する
2)十分なエネルギーの確保
・25~30kcal/kgは確保する
・但し、動脈硬化の促進因子のひとつとされている動物性脂肪(飽和脂肪酸)の過剰摂取には注意が必要
3)十分な食物繊維の摂取
・食事量の減少により不足しがちである
・食事摂取基準では、1000kcaあたり10gとされているが、便秘予防、脂質異常症等の予防を目的として1日15~20gの摂取を目指す
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高齢者の食事に必要とされる栄養素
脱水
→体液の喪失で、水と電解質が失われること
脱水の種類
→高張性脱水(水欠乏性脱水)、低張性脱水(塩類欠乏性脱水)、混合性脱水
・食事が取れないことで脱水を悪化させることもあり、食欲不振も脱水が原因で起こることがある
・乏尿(1日500ml以下)の時は注意を要する
・微熱が続くときも脱水を疑う必要がある
・高齢者は口渇を訴えることが少ないため、脱水を見逃しがちである
脱水を疑う症状
→血圧低下、脈拍増加(30回/分以上)、乏尿(1日500ml以下)
・脱水が起きた場合は、輸液を行う
・経口的に水分を補う経口補水液(ORS)というものがある
・ナトリウムの補給には塩分を使用すればよい
・カリウムの補給には、バナナ、リンゴ、メロンなどをミキサーにかけジュースなどにするのがよい
経口補水液の配合例
・無塩トマトジュース:300ml
・水:700ml
・砂糖:大さじ1杯
・食塩:小さじ1/2杯
簡単な栄養リスクの判定
・栄養スクリーニングの指標として、血清アルブミンが使用されることが多いが、以下の指標でも特定の目安となる
1)BMI
→BMI=体重(kg)÷((身長(m)×身長(m))
・成人では25以上で肥満と判定する
・高齢者では肉体的、生理的変化により骨格筋が減少しやすいため、身体的機能の保持のためには若年層よりもやや高めの22~26が健康的といえる
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高齢者の食事に必要とされる栄養素
褥瘡
・低栄養状態では褥瘡の治療は延滞する
・栄養アセスメントを実施し、その結果に基づいた栄養介入方針を導くことが必要である
・それぞれの栄養不足に応じた治療に必要な栄養量は以下の通りである
1)たんぱく質不足
・血清アルブミン(Alb)で判定する
・一般的には、3.5g/dl以下でPEMと判定される
・在宅では、3.8g/dl以下にならないよう、十分なたんぱく質の補給を行う
・総たんぱく質(TP)では判断できないことに留意する
・摂取量は、1.25~1.5g/kg(体重1kg当たり)を確保する
2)エネルギー不足
・体重で測定する
・30~40kcal/kgの補給を行う
・一度に食べきれない場合には、1日に5~6回食事をする
・または、エネルギー補給用の特殊食品(ビスケット、ゼリーなど)やMCT(中鎖脂肪酸)、カロライナーなどの使用を考慮する
3)亜鉛不足
・15mg/日以上を確保する
・亜鉛強化経腸栄養剤や微量元素供給のための栄養補助食品(テゾン等)、サプリメントなどを利用する
4)銅欠乏
・1.3~2.5mg/日を確保する
・銅の給源食品としてココアの利用が有効
5)脱水予防
・水30~35ml/kg/日程度の補給を心がける
・飲水量として、1リットル以上を確保する
6)ビタミンC不足
・500mg/日を確保する
・天然・自然食品で補うことは困難を伴うため、アスコルピン酸原末やサプリメント飲料などを利用する
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高齢者の食事に必要とされる栄養素
高齢者の栄養リスク
・高齢者の栄養リスクで、最も重要かつ頻度の高いものは、タンパク質・エネルギー低栄養状態(protein energy malnutrition:PEM)である
・その他のリスクもPEMと表裏一体であり、その多くはPEMが原因となって発生することを認識しなければならない
・PEMは、転倒のリスクファクターである
活動量が減少することにより栄養状態の低下に拍車がかかり、その結果として生じること
1)QOLが低下する
2)合併症を起こしやすくなる
3)入院日数も長くなる
4)再入院率も高くなる
5)死亡率も高くなる
・PEMの治療には高たんぱくの経腸栄養剤や高たんぱくの治療用特殊食品などを使用する
・経口摂取が難しい場合、これらの食品を利用してアイスクリーム、ゼリーなどを作成して提供する
PEMによる生体における変化
1)生体の修復・再生能力の低下
2)酵素活性の低下
3)衰弱
4)疾病、創傷からの回復遅延
5)抵抗力(免疫力)低下による感染症
6)呼吸機能低下
浮腫
・浮腫とは、細胞外液、特に組織間質液が増量している状態である
・ナトリウムによる浸透圧作用によって浮腫が生じるのであり、浮腫と診断されれば水分制限でなくナトリウム制限が必要である
・浮腫の原因として、心不全、ネフローゼ症候群、肝硬変、薬剤、リンパ浮腫、妊娠、腎不全、内分泌性などがある
・浮腫の原因となる基礎疾患がないにも関わらず浮腫をきたす、突発性浮腫も存在する
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老化に伴う心身機能の特徴
老化に伴う心身機能の特徴
01)皮下脂肪の減少
02)血液循環の緩慢化
03)温熱中枢機能の低下→カイロなどによる低温火傷のリスク
04)発汗、体脂肪の分泌低下→肌が乾燥しやすい、かゆみ
05)活動能力の低下、活動範囲の縮小
06)動作、反射機能の緩慢化
07)寒冷に対する抵抗力の低下
08)骨粗鬆症による骨折しやすさ、関節痛や手足の不自由
09)視力、聴力の減退
10)肛門、暴行括約筋の弛緩、前立腺肥大などによる排泄障害
11)夜間頻尿
12)腹筋の弛緩、消化吸収力の低下、運動量減少などによる老人性便秘
13)義歯や味蕾の減少による味覚の変化→濃い味を好む傾向
14)活動低下による食欲減退、食事量減少→少量で栄養価の高い料理(高たんぱく、高エネルギー)の必要性
15)過食継続による肥満
16)唾液分泌量の減少→水分の少ない料理や食品は食べづらい
17)むせやすく、食べ物がつかえやすい(嚥下障害)
18)胃液分泌低下、肝機能低下
19)口渇を訴えることが少ない→喉が渇かなくても水分補給が必要
20)高血圧症、糖尿病、動脈硬化などの慢性疾患をもつことが多い
※よく高齢者は「濃い味を好む」と言われるが、実は濃い味を好むのではなく、味蕾の減少により濃い味を濃いと感じないのである
※唾液量の減少によりパサついた料理は飲み込みにくいため、とろみのある汁物があると食べやすい
※食事制限がある場合、ジュースや牛乳を提供する
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高齢者栄養の特性
高齢者栄養の特性
・高齢者は臓器・器官の萎縮、生理機能の減退が起こるが、その程度は個人差が大きい
・この個人差を左右している要素のひとつに栄養がある
・高齢者の栄養管理は、医学・栄養学的な視点のみならず、高齢者が置かれている社会的及び経済的な立場をよく理解したうえで行わなければならない
・高齢者の疾病は、加齢による生理機能の低下という一般状態の上に起こるため、発病時期が不明瞭で自覚症状に乏しく慢性の経過を取りやすい
特定の疾患などが存在しない一般的な高齢者に対する栄養補給の考え方
1)エネルギー
・基礎代謝量、生活活動強度ともに低下するため、エネルギー所要量は低下するが、個人差が大きいため個々の体格、筋肉量、活動量を考慮して決定する
2)たんぱく質
・消化吸収率は、加齢による低下はあまりない
・栄養状態の指標となる血清アルブミン濃度が低下するため、できる限りケミカルスコアの高いたんぱく質の摂取量を成人と同様かそれ以上にする
3)脂質
・脂質の消化吸収率も、加齢による低下はあまりない
・血清脂質(コレステロール、トリグリセリド)は増加傾向を示すため動脈硬化促進に留意しなければならない
・脂質の摂取量は、エネルギー比で、20~25%とし、1日のコレステロール摂取量は300~500mg以下とする
4)糖質
・加齢に伴い耐糖能が低下し、高血糖傾向が見られるようになるが、摂取エネルギーの55~60%は糖質で摂取する
・血糖の上昇を抑えるためには、でんぷんを中心とした多糖類で摂取することが望ましい
・少なくとも1日のエネルギーの50%以上は糖質で摂るようにする
5)ビタミンとミネラル
・必要量は成人期の食事摂取基準に順ずる
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加齢による身体変化
加齢による身体変化
・加齢に伴って心臓以外のほとんどすべての組織で実質細胞数が減少するため、組織重量も減少する
・除脂肪体重(LBM)が低下し、体重、骨塩量、体水分量は減少するが、体脂肪量は変化しないため、相対的に体脂肪率は増加する
・全体的に組織の生理的・代謝的機能が次第に衰え、生理的機能の向上性維持に障害をきたす
・動脈へのコレステロール沈着や結合組織の石灰沈着により動脈の弾力性低下と内腔狭窄が生じる
・動脈硬化により心拍出量が低下し、十分な血液量を全身に送り出すため心臓はより強く収縮しなければならず、血圧が上昇する
・肺の弾性収縮力が低下するので肺活量は低下するが、残気率は増加する
・口腔内は、歯の欠損や唾液分泌量減少による咀嚼力・嚥下能力の低下や、誤嚥がみられる
・胃液・膵液分泌量が減少し、胃酸は低酸化・無酸化がみられるため消化不良を起こしやすい
・小腸の筋肉層が萎縮するため、腸管の蠕動運動が低下し、便秘しやすい
・加齢に伴って機能性ネフロン数は減少するものの、腎臓には大きな予備力があるため腎機能の低下はみられない
・腎臓で作られる赤血球生成促進因子であるエリスロポエチエンの分泌量が減少するため貧血の原因となる
・内分泌系では、性腺の萎縮が最も変化が激しく、テツトステロンとエストロゲンの血中濃度が加齢に伴い低下するが、脳下垂体ホルモン、副腎皮質ホルモンはほとんど変化しない
・免疫機能は加齢による低下が著しく、T細胞系リンパ球機能が低下するため、感染症やがんに罹患しやすい
・骨格筋が萎縮し筋力量が低下するので、基礎代謝量、インスリン感受性、エネエルギー摂取量、食欲、呼吸、歩行、身体活動が低下し、骨量の低下を招く
・骨量は20~30歳頃が最大で、40歳半ば頃から骨損失が始まり、徐々に減少する
・女性は閉経によるエストロゲン分泌停止により骨量低下が著しい
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高齢者の薬物療法
不眠症
・喘息治療に使われるテオフィリン、ステロイド、抗パーキンソン病薬、降圧薬、インターフェロンなど、不眠を引き起こす薬剤として挙げられる
・薬剤以外にも、生活習慣、嗜好品による不眠も少なくない
・寝酒としてアルコールを摂取する人も多いが、睡眠を浅くし中途覚醒の原因となるため、適切ではない
・喫煙もニコチンによる覚醒効果から不眠の原因となり得ることに留意する必要がある
・夕方以降に、カフェインを多く含んだお茶やドリンク剤を摂取している人もいるが、カフェインによる不眠を考慮するとできるだけ避けるべきである
睡眠薬服用時に想定される副作用
1)持ち越し効果
・作用時間の長い薬剤の場合、翌日の眠気、ふらつき、脱力、頭痛等がおこることがある
2)記憶障害
・途中で覚醒した場合に記憶がないなどの前向性健忘と呼ばれる状態になることがある
3)反跳性不眠
・連用していた睡眠薬を突然中止することで不眠をきたすことがある
・作用時間の短いものの方が起こりやすいと言われている
・運用していた睡眠薬を中止する場合は、徐々に減らしたり、隔日で休薬するなどの方法が摂られる
4)筋弛緩作用
・薬剤により、筋弛緩作用が強いもの、弱いものがある
・筋弛緩作用があるものは転倒の原因となるため、特に注意が必要である
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高齢者の薬物療法
認知症症状を呈する薬剤
→以下の薬剤は副作用として記憶障害や認知症症状を呈する可能性がある
・抗精神病薬
・鎮痛薬
・抗うつ薬
・抗パーキンソン病薬
・抗てんかん薬
・循環器病薬(降圧薬、抗不整脈薬、利尿薬、ジギタリス)
・鎮痛薬(オピオイド、NSAIDs)
・副腎皮質ステロイド
・抗消化器yアク(H2受容体拮抗薬、抗コリン薬)
・抗喘息薬
・抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)
※高齢者の場合、特に肝・腎機能の低下、多剤併用などの要因により薬剤による認知機能低下の可能性に留意しなければならない
※薬剤に起因している可能性が疑われる場合には中止を考慮するが、中止による身体症状の悪化や、せん妄の誘発などを防ぐために漸滅するなど慎重な対応が必要である
不眠症
・不眠症の場合、安易に睡眠薬の使用を開始するのではなく、不眠を引き起こす原因の検討も重要である
・呼吸器疾患、高血圧、抑うつによる不眠など、身体的・精神的な原因により不眠が引き起こされることもある
・薬剤により不眠が引き起こされることもあり、注意が必要である
・喘息の治療に使われるテオフィリン、ステロイド、抗パーキンソン病薬、降圧薬、インターフェロンなど、不眠を引き起こす可能性が高い薬剤として挙げられる
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高齢者の薬物療法
高齢者の薬物療法における注意点
・高齢者は服用している薬の種類が多く、服用する薬の種類が多ければ多いほど、薬の副作用が起こりやすくなる
・高齢になるほど併用する薬剤は増加する
・加齢による変化も想定外の薬物動態をきたす
・薬は服用後、吸収→分布→代謝→排泄という経路を辿り、体外に排出されるが、そのそれぞれの段階で、加齢に伴い副作用が出やすい状況を作り出している
・胃酸の減少による胃内pHの上昇及び胃腸の働きが低下することなどにる吸収が遅れ、効果発現の遅延が起こる可能性がある
・体内の水分が減少し、脂肪が増加することにより、水溶性薬剤は血中濃度が上がりやすくなる
・脂肪性の薬剤は組織内に留まりやすくなり、消失半減期を延長させる可能性がある
・加齢により肝臓での代謝機能も低下する
・肝代謝率の高い薬剤は血中濃度が上昇しやすくなり、副作用も発現しやすくなる
・代謝されることで薬効を発揮する薬剤(プロドラッグ)は効果が減弱する可能性がある
・腎機能の低下は個人差も大きいが30歳以降、年々低下していくと言われている
・体内に排泄する力が低下することで、副作用のリスクは高まるため、腎排泄型の薬剤も注意が必要である
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行動・心理症状(BPSD)に用いられる薬
行動・心理症状(BPSD)に用いられる薬
認知症の薬
・コリンエステラーゼ阻害薬も行動・心理症状(BPSD)の改善、特に意欲や自発性の低下に効果が期待できる
・NMDA受容体拮抗薬であるメマンチン塩酸塩は、興奮・易怒性、易刺激性、身体的攻撃性及び、食欲・食行動変化について改善が期待できる
ベンゾジアゼピン系薬
・軽度の不安を緩和するのに有用なことがあるが、記憶障害の原因になることもあり、中止することにより記憶障害が改善することがある
・転倒、誤嚥、嚥下障害、傾眠、呼吸抑制などに注意が必要
抗精神病薬
・オランザピン(ジプレキサ)、アリピプラゾール(エビリファイ)、リスペリドン(リスパダール)、クエチアピン(セロクエル)、ペロスピロン(ルーラン)等が使われることがある
・オランザピン、クエチアピンは糖尿病には禁忌で、体重の増加や急激な血糖値の上昇に注意が必要
抗うつ薬
・選択的ソロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)では悪心・嘔吐、軟便などがみられることがある
漢方薬
1)抑肝散
・アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、脳血管性認知症に伴う易怒性、興奮、攻撃性、幻覚などに有効とされている
・1ヶ月で効果が認められない場合は、別の治療を検討する
・甘草を含むため、低カリウム血症への注意が必要で、定期的に血液検査を行うことが望ましい
・バナナなどのカリウムを含む食物の摂取も副作用対策になる
2)抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
・BPSDにおいて抑肝散と同様の効果が期待できるが、より虚弱な患者が対象となる
・症状の改善だけでなく、食欲を改善することもある
3)釣藤散(ちょうとうさん)、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
・BPSDに用いられる
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NMDA受容体拮抗薬
NMDA受容体拮抗薬
メマンチン塩酸塩(メマリー)
効果・効能
・中等度及び高度アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制
用法・容量
・通常、成人にはメマンチン塩酸塩として1日1回5mgから開始し、1週間に5mgずつ増量し、維持量として1日1回20mgを経口投与する
・食事に影響を受けず服薬することが可能なので、食前、食後、食間など患者、介護者のスケジュールを考慮して服薬時点を設定することができる
特徴
・メマンチン塩酸塩はコリンエステラーゼ阻害薬としては働きがことなり、NMDA受容体に結合することで、過剰なグルタミン酸の刺激から神経細胞を保護する作用がある
・シナプス間隙にグルタミン酸が増えると、持続的な電気シグナルが増大し、記憶が形成されるシグナルを隠してしまうため記憶・学習機能が障害される
・メマンチン塩酸塩はNMDA受容体拮抗作用により、ノイズを抑制するが、記憶を形成するための神経伝達シグナルは伝える仕組みがあり、記憶・学習障害抑制作用を示す
・神経細胞を保護する働きもある
効能
・メマンチン塩酸塩は認知機能障害、行動・心理症状(BPSD)ともにいくつかの領域について進行を抑制されるとされている
副作用
・傾眠やめまいが起こることがあるため増量時には注意が必要
・服用時点の変更や減量などで対応できることがある
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コリンエステラーゼ阻害薬
コリンエステラーゼ阻害薬
3.ガランタミン臭化水素酸塩(レミニール)
効能・効果
・軽度及び中程度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制
用法・用量
・通常、成人にはガランタミンとして1日8mgから開始し、4週間後に1日16mgに増量、経口投与する
・症状に応じて1日24mgまで増量できるが、増量する場合は変更前の用量で4週間以上投与した後に増量する
・消化器症状の副作用を予防するため、4週間以上の期間をかけ徐々に増量していく
・他のコリンエステラーゼ阻害薬で副作用が出たことによりガランタミン臭化水素酸塩に変更する場合には、副作用が消失するまで1~2週間の期間をおいた後、投与を開始する
・効果不十分のため、切り替える場合、休薬期間ではなく、1回4mg1日2回から服用開始してよい
特徴
・ガランタミン臭化水素酸塩はドネペジル塩酸塩に比べてムスカリン性Ach受容体(mAChR)へ作用しないことから、ドネペジル塩酸塩が無効である統合失調症の認知機能障害に対しても有効と考えられている
副作用
・頻度の高い副作用は、吐き気、食欲低下、軟便・下痢、めまい、頭痛である
・これらの症状は服用開始時や、増量時に発生しやすい
・重大な副作用として徐脈・不整脈などがある
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コリンエステラーゼ阻害薬
コリンエステラーゼ阻害薬
2.リバスチグミン(イクセロンパッチ、リハスタッチパッチ)
効能・効果
・軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制
用法・用量
・通常、成人にはリバスチグミンとして1日1回4.5mgから開始し、原則として4週毎に4.5mgずつ増量する
・維持量として1日1回18mgを貼付する
・本剤は、背部、上腕部、胸部のいずれかの正常で健康な皮膚に貼付し、24時間毎に貼り替える
特徴
・内服した場合は急激に血中濃度が上昇し、副作用発現の頻度が高いため、内服ではなく貼付薬として製剤化された
・重篤な副作用が発現した場合には、薬剤を剥がすことで速やかに血中濃度を低下させることができる点も貼付剤であることの利点である
・他のコリンエステラーゼ阻害薬の2剤と違い、主に腎臓で排泄されるため、腎不全患者への投与には注意が必要である
・嚥下障害のある患者やアドチアランス不良による服薬拒否をきたす患者にも使用しやすい
・貼付剤によるかぶれなどの副作用を防ぐために、剥がす際は一気に剥がさないようにし、貼付する際は傷口、湿疹のあるところを避ける
・同じ場所に続けて貼らないようにする
・シール及びその個包装には日付が記入できるようになっており、貼り替えが容易に確認できる
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コリンエステラーゼ阻害薬
コリンエステラーゼ阻害薬
・学習・記憶という脳への刺激は、神経レベルで見ると脳神経の前シナプスからアセチルコリンが放出され、後シナプスの受容体に結合されることで伝わっていく
・アルツハイマー型認知症における諸症状は、海馬や大脳皮質において神経伝達物質であるアセチルコリンの量が減少することにより、学習や記憶に障害をきたすものである
・シナプス間隔に放出されるアセチルコリンはアセチルコリンエステラーゼと呼ばれる酵素により分解される
・このアセチルコリンエステラーゼを阻害することで、アセチルコリンの量を維持し、コリン作動性神経系を賦活しようとするのがコリンエステラーゼ阻害薬である
1.ドネペジル塩酸塩(商品名:アリセプト)
効能・効果
・アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制
用法・容量
・通常、成人には1日1回3mgから開始し、1~2週間後に5mgへ増量、経口投与する
・高度のアルツハイマー型認知症患者には、5mgで4週間以上経過後、10mgに増量する
副作用
・特徴的な副作用は、嘔吐、下痢、食欲不振などの消化器症状は投与開始後1週間以内、及び10mg増量時、1~2週間後に発現することが多い
その他
・アルツハイマー型認知症の他、レビー小体型認知症においても効果的であることが明らかになっている
・ドネペジル塩酸塩の服用を中止した場合、認知機能の悪化が認められるが、投与中止6週間で、もともと治療をしていなかった群と同等の状態にまで悪化するというデータがある
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認知症の薬物療法
認知症の中核症状に用いられる薬
・アルツハイマー型認知症の治療薬は、1999年にドネペジル塩酸塩が承認されて以来、2011年には3種類の治療薬が承認された
・現在4種類の治療薬が承認され、いずれも、認知機能障害の進行を抑制する効果が示されており、日常生活動作の改善、介護時間の短縮などが期待できる
・しかし、これらの薬剤はアルツハイマー型認知症を完治させるものではなく、病状が進行していくことを止めることはできない
・進行していくアルツハイマー型認知症の病態においては、症状が薬物や身体的な問題のみならず、心理的な問題や生活環境にも影響されることに留意する必要がある
・薬物療法だけでなく、総合的に患者の状態を考慮した治療方法、ケアの選択が重要である
・患者家族を含め、各職種のチームによる治療目標を共有したうえでのケアが求められる
・認知症の中核症状に対しては、現在、4種類の薬剤が承認されており、大きく分けると、コリンエステラーゼ阻害薬の3種と、NMDA受容体括抗薬のメマンチンに分類される
・コリンエステラーゼ阻害薬同士は併用できないが、中等度以上のアルツハイマー型認知症であれば、コリンエステラーゼ阻害薬とメマンチンとの併用は可能
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食生活による認知症予防
栄養素と認知症との関連
β-カロチン
→植物に豊富にある赤橙色で、カロテノイドでは代表的な色素
・体内ではビタミンA(レチノール)に変換される
・緑黄色野菜の基準にもなっており、100g中に600μg以上の野菜を緑黄色野菜と定義している
・レチノールの1日の摂取する基準値はあるが、β-カロチンは基準値が無い
・長期間過剰に摂取すると、肌が黄色くなる柑皮症を起こすことがある
・栄養機能食品の栄養成分の一つで、下限値は1620μg、上限値は7200μgの値を順守すればβ-カロチンの栄養機能食品として販売できる
・期待されている主な効果・効能は、抗酸化作用による動脈硬化の予防、免疫増強、夜盲症の予防・改善、皮膚の健康維持など
葉酸
→水溶性ビタミンで、赤血球の合成、細胞の生成、たんぱく質のい代謝に関与している
・鶏レバーやほうれん草、菜の花、枝豆などに多く含まれる
・葉酸の1日の摂取する推奨量は、男女ともに240μgで、許容上限値は、1300~1400μg
・欠乏症は、巨赤芽球性貧血(正常な赤血球が作られない)、胎児の神経管閉塞障害(脳や脊髄を形成する神経管が正常に形成されない先天異常)など
・長期間、過剰に摂取すると、嘔吐やかゆみなどが起こる可能性がある
・栄養機能食品の栄養成分の一つで、下限値は60μg、上限値は200μgの値を順守すれば葉酸の栄養機能食品として販売できる
・期待されている主な効果・効能は、動脈硬化の予防、貧血の予防、胎児の神経管障害の予防など
ルテイン
→カロテノイドの一種で、黄色の色素
・ほうれん草やケールなどの緑黄色野菜に含まれている
・1日の摂取する目安量の基準はない
・期待されている主な効果・効能は、動脈硬化の予防、記憶機能の改善、黄斑変性や白内障などの眼疾患の予防、皮膚の健康維持など
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食生活による認知症予防
栄養素と認知症との関連
・アルツハイマー病や認知症の予防に効果があるとされている栄養素や栄養成分は、DHA・EPA、ビタミンE、β-カロチン、葉酸などがある
DHA・EPA
・ω3系多価不飽和脂肪酸であるDHA・EPAは魚油に多く含まれ、DHAはドコサヘキサエン酸(20:6=酸素数22個で二重結合が6つあることを表す)、EPAはエイコサペンタエン酸(20:5)の略であり、体内で合成できないために必須脂肪酸と呼ばれている
・1日の摂取する目標量は1g以上と設定されているが、魚の摂取量の減少によって充足されていないのが現状
・過剰症は、血が固まりにくく出血しやすくなる、吐き気や軟便などがある
・期待されている主な効果・効能は、認知症の改善・予防、学習能力・記憶力の向上、視力低下の抑制、動脈硬化の予防、脂質異常症の改善、血栓の抑制、高血圧の抑制など
ビタミンE
・脂溶性ビタミンであるビタミンEは、トコフェロールと呼ばれて栄養剤や薬品、食品添加物(酸化防止剤)などに幅広く使われている
・1日の摂取する目安量は、男性は7.0mg、女性は6.5mgと設定されている
・健康障害をもたらす危険がない摂取量のいギリギリの値である耐容上限値は、年代によって異なり650~900mgの間で設定されている
・過剰症は、血が固まりにくく出血しやすくなる、吐き気や下痢などがある
・期待されている効果・効能は、抗酸化作用による動脈硬化やがんの予防、コレステロール低下、肌の健康保持など
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食生活による認知症予防
脂質異常症
高LDL-C血症が改善しない場合
1)脂質制限を強化する→総摂取エネルギーの20%以下にする
2)コレステロールを1日200mg以下にする
3)飽和脂肪酸/一価不飽和脂肪酸/多価不飽和脂肪酸の摂取比率を3:4:3程度にする
・高LDL-C血症が改善しない場合、LDL-C値が低下する因子がより強化される
・脂質制限の強化やコレステロール摂取量の制限強化の2点は低下因子の強化である
・飽和脂肪酸(M)/多価不飽和脂肪酸(P)の摂取比率を3:4:3程度にすることは、脂肪酸摂取のバランスを適正にする(SMP日の適正化)
・日本人の食生活は、SMP比=3:4:3に近いとされているが、獣鳥肉や乳製品が多くなると、多価不飽和脂肪酸(P)の割合が小さくなる
・オリーブ油などの植物性油脂が多くなると、一価不飽和脂肪酸(M)の割合が大きくなり、魚や大豆製品を適量摂取すると、SMP比は理想的になる
高TG血症が改善しない場合
1)アルコールは禁酒とする
2)炭水化物の制限を摂取エネルギーの半分以下にする
3)砂糖は可能な限り制限する(調味料のみの使用にする)
・適度のアルコール摂取は血中のHDL-C値を上昇させるが、TG値も上昇させる
・TGはグリセロール(グリセリン)に3つの脂肪酸がついており、脂肪酸がエネルギー源として使われる
・アルコールを分解(解毒)する際に使う補酵素と脂肪酸をエネルギー源にする際に使う補酵素が同じで、アルコール分解に優先的に使われるため、脂肪酸がエネルギー源として使われにくく、過剰な脂肪酸がTGに合成され、血中のTG値が上昇する
・炭水化物の制限と砂糖の制限は、TG合成を抑制する因子の強化である
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食生活による認知症予防
脂質異常症
脂質異常症を予防・改善する食事
1)獣鳥肉より魚や大豆を多くする
・獣鳥肉の脂に多く含まれる飽和脂肪酸は、体内でコレステロールに変換されやすく、獣鳥肉を好んで食べると血中のコレステロール値は上昇しやすくなる
・魚の油に多く含まれる多価不飽和脂肪酸(DHA、EPAなど)の割合を多くすると、血中のLDL-C値を低下させる
・大豆に含まれるイソフラボンやタンパク質なども血中のLDL-C値を低下させる
・獣鳥肉に偏らず、魚や大豆も摂取することが重要である
2)コレステロールを1日300mg以下にする
・コレステロールは、細胞膜や胆汁酸、ビタミンDの前駆体の材料などとして不可欠なものである
・体内のコレステロールは、体内合成が約8割、食事由来が約2割
・食品に含まれるコレステロールを制限することで、LDL-C値の上昇を抑える
3)アルコールは1日25g以下にする
・適量のアルコール摂取は、HDL-Cの合成亢進や、HDL-Cの分解の低下により、血中のHDL-C値を上昇させる
・過度のアルコール摂取は、肝臓でのTG合成を促進させて高TG血症を招く
・また、つまみの摂取量も増えやすく、摂取エネルギー量や塩分量の増加に繋がる
・脂質異常症を改善するため、前述の食事をある期間継続して実践しても高LDL-C血症や高TG血症が改善しない場合、より厳しい食事制限をする必要がある
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食生活による認知症予防
脂質異常症
→血液中の脂質が異常を示す状態をいい、以下の3種類がある
→高LDLコレステロール血症(高LDL-C血症)、低HDLコレステロール血症(低HDL-C血症)、高トリグリセリド血症(高TG血症)
・高LDL-C血症は、動脈硬化を促進させる最大の要因
・LDL-Cは、肝臓からコレステロールを抹消組織に運ぶ役割があり、一般に「悪玉コレステロール」と呼ばれる
・高LDL-C血症では抹消組織や血管にコレステロールが多くなっている状態で、高血圧などで傷ついた血管壁から過剰なLDL-Cが取り込まれ、それがプラークとして血管の内腔を狭くしていく
・HDL-Cは抹消組織や血管から余分なコレステロールを引き抜いて肝臓に運ぶ役割があり、「善玉コレステロール」と呼ばれる
・低HDL-C血症では、血管にある余分なコレステロールを引き抜いて肝臓に運ぶ流れが悪くなってプラークを大きくさせる
・低HDL-C血症と高LDL-C血症が同時にあると、動脈硬化はより進行しやすい
・トリグリセリド(中性脂肪:TG)は食品として摂取する脂質で、エネルギーとして使われる
・過剰になると肝臓(溜まり過ぎると脂肪肝)と脂肪細胞(溜まり過ぎると肥満)に溜まる
・肥大した脂肪細胞からさまざまな生理活性物質(ホルモンのように働く)が分泌され、血圧を上げる方向に働くもの、血液を固まらせる作用があるものなどにより動脈硬化を促進させる
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食生活による認知症予防
糖尿病
糖尿病の合併症を予防するための食事での注意点(プラスする3つのポイント)
1)食塩を減らす
・血圧が高いと動脈硬化を引き起こして合併症が進みやすくなる
・糖尿病はインスリンの作用が低下しているため、代償的に血中のインスリン濃度が高くなる
・それにより腎臓でナトリウムの再吸収を促すため、血圧が高くなる傾向がある
・よって、血圧が正常であっても食塩を減らすことにより合併症のリスクを軽減できる
2)コレステロールや飽和脂肪酸を多く含む食品を控えめにする
・コレステロールや飽和脂肪酸を控えることで、LDLコレステロール値が低下する
・血中のLDLコレステロールが高いと、動脈硬化が進行しやすくなる
・卵、魚卵、肝臓などのコレステロールが多い食品、ヘット、ラード、牛サーロイン肉、乳製品などの飽和脂肪酸が多い食品を控えることが大切
3)食物繊維を増加させる
・食物繊維は6番目の栄養素とも呼ばれ、さまざまな生理作用がある
・糖尿病の場合、食後の血糖上昇を控える効果が最も有効な生理作用で、食物繊維が腸内で糖の吸収を緩慢にさせて血糖の上がり方を緩やかにする
・食事ごとに食物繊維を多く(20~25g/日)食べるように努める
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食生活による認知症予防
糖尿病
→血液中のブドウ糖(血糖)の量が一定以上の状態が続く病気
・血糖を下げる働きのある膵臓のランゲルハンス島のβ細胞から分泌するインスリンの作用が低下することによって起こる
・日本人に多い2型糖尿病は、インスリン作用に関する遺伝子に、エネルギー過剰摂取、運動不足、肥満、ストレスなどの環境因子などが総合的に作用して発症する
・糖尿病も高血圧症と同様、生活習慣との関連が密接
・糖尿病の予防と改善には食生活を含む生活習慣の改善が大切
糖尿病を予防・改善する食事
1)標準体重を保ちながら1日に必要なエネルギー量の食事をとる
2)エネルギー量の範囲で栄養素のバランスが良い食事をとる
3)1)と2)を満たす食事を1日3回均等にとる
4)できるだけ規則正しく、決まった時間に食事をとる
糖尿病予防のための活動エネルギー量の算出方法
・1日に必要な活動エネルギー量は、基礎代謝量×身体活動レベルで算出される
・基礎代謝量は、寝たきり状態で生命活動を維持するために、生体において生理的に行われている活動に必要とされるエネルギーのことで、基礎代謝基準値(体重1kgあたりの基礎代謝量)に体重を乗じて算出される
・そこに日常生活に平均的な活動の強度を表す身体活動レベルを乗じると1日に必要な活動エネルギー量となる
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食生活による認知症予防
脳血管性障害の予防
4)魚(魚油)の積極的摂取
・マグロトロ、ブリ、サンマなどの魚に含まれる魚油には、ω3多価不飽和脂肪酸(DHA、EPA)が多く含まれている
・ω3多価不飽和脂肪酸の摂取量と血圧には負の相関関係がある
・高血圧を予防、改善する食事として、ω3多価不飽和酸を多く含む食品の摂取が推奨されている
・ω3多価不飽和脂肪酸には、血液の粘性を低下させる、血清脂質の改善など、複合的、間接的に作用し、血圧を下げる効果がある
・ω3多価不飽和脂肪酸の摂取目標は、50歳以上の男性では、2.4~2.2g/日、女性では、2.1~1.8g/日
・アジやタイなど脂の少ない魚は、ω3多価不飽和脂肪酸は少ないが、マグロトロ、サンマなどは多い
・肉、乳製品、卵類、大豆製品も、ω3多価不飽和脂肪酸は少ない
5)アルコールの適量摂取
・アルコールを適量飲むと、アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドが血管を拡張させ、血圧は低下しやすくなる
・程よく酔うことで、副交感神経が優位となり、血圧が低下しやすくなる
・多量に摂取すると、アルコールの水分とおつまみの食塩の取り過ぎにより、血液量が増え、血圧は上昇する
・エタノール換算で1日薬30gを継続して飲むと血圧が3mmHg上昇する
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食生活による認知症予防
脳血管性障害の予防
2)野菜、果物の積極的摂取
・野菜、果物、低脂肪酸乳製品などを中心に摂取し、飽和脂肪酸とコレステロールを少なくし、カリウム、カルシウム、マグネシウム、食物繊維が多い食事をとると、血圧が有意に低下した結果が報告されている
・野菜、果物を積極的に摂取すると、ビタミンC、食物繊維、カリウムなどの栄養素が多く得られる
・食物繊維は、小腸でナトリウムと結合して大便中に排泄する働きをし、小腸からのナトリウム吸収を抑制する
・ワカメやひじきに多く含まれる水溶性食物繊維(多糖類)のアルギン酸カリウムは、胃酸の働きでアルギン酸とカリウムに分かれ、アルギン酸は小腸でナトリウムと結合してアルギン酸ナトリウムとなって排泄される
・カリウムは多く摂取すると腎臓からナトリウムの排泄量が増え、腎機能が低下している腎臓病の患者では高カリウム血症をきたす危険性があるため、野菜、果物の積極的摂取は推奨しない
・「日本人の食事摂取基準2010年度版」において、食物繊維の摂取目標量は、18歳以上の男性では、19g/日以上、女性では、17g/日を推奨している
3)コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える
・血液の粘性が高いと、正常な血液より強い圧力が必要になる
・血液の粘性は、赤血球の数、血液の水分量、血糖値、血清脂質などによって決まる
・肉の脂肪や生クリーム、牛乳などに多く含まれる飽和脂肪酸をたくさん摂取すると、体内でコレステロールが合成されて血清脂質が上昇し、血液の粘性も上昇する
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