
認知症が進行していくと、日常、行っていた動作が分からなくなります。
例えば、「トイレに行くことが出来ない」とか、「お風呂の入り方が分からない」など。
すでにご紹介したように、認知症の症状は中核症状とBPSDに分けられます。
「妄想」といったBPSDが起こる背景には、「物忘れ」などの中核症状があるため、生活しづらいといったご本人の思いが隠れています。
従って、中核症状に対応したケアが、結果としてBPSDの軽減に繋がります。
認知症ケアにおいては、この点をきちんと理解することが非常に大切です。
また、進行した認知症に対しては、「困難になったこと」を「出来るようにするケア」が必要です。
なぜなら、ケアによって困難になったことが出来るようになると、ご本人の自信となり、次の活動を生む力になるからです。
具体例をふたつ、ご紹介します。
アルツハイマー病でよく見られる「失認」の症状がある人は、玄関やお風呂に敷いてあるマットの上を歩けなくなることがあります。
床と違う色のマットが谷底に見え、その上に足を踏み出すと転落してしまうという恐怖感に襲われているようです。
この場合、マットを取り除くか床と同じ色のマットに替えると改善できることがあります。
次に、同じく「失認」の症状のある人は、白い茶碗に白いご飯を盛ると、茶碗とご飯が一体化し、ご飯が入っていないと錯覚してしまいます。
この場合、茶碗の内側が色付きのものに替えたり、ふりかけを白いご飯にかけることで、茶碗とご飯をきちんと認識することができるようになることがあります。
↓一日一回、あなたの応援クリックが更新のパワーとなります。↓

にほんブログ村

人気ブログランキングへ
↓この記事が役立ったという人は、ボタンをクリックしてください。↓
↓↓コメント欄に、ご意見、ご感想を、お気軽に書き込んで下さい。↓↓
- 関連記事
-
- 認知症高齢者とのコミュニケーション技術
- 認知症の幻視への対処例
- 進行した認知症に対するケア
- 認知症と診断されたら
- 実行機能障害とは