福祉支援においては、すべての人々の存在様式を等しく尊重することが、大前提となります。
すべての人々を正しく理解し、その人たちが必要とする援助を適切に提供するには、優れた理念と熟達した技術が求められます。
では、支援を必要とする人を、どのように理解したらよいでしょうか。
簡単な考え方として、「医学モデル」と「社会モデル」という対極的な視点に立つ方法があります。
「医学モデル」とは、「解決すべき問題や課題は、当事者である個人にある」という視点です。つまり、問題はあなたにあるから、専門家による指導を受けて、あなた自身が変化して下さいという考え方。言い換えると、個人に対して、「努力により、自ら、変容させるべき」ということ。
一方、「社会モデル」とは、「解決すべき問題や課題は、当事者である個人にはない」という視点です。つまり、問題はあなたになく、社会の側にある。あなた自身が変わる必要はなく、あなたの環境を改善し、支援を豊かにするべきであるという考え方。
そして、社会モデルの究極の目標は、人権尊重にあると言われています。
世界保健機関(WHO)は、この2つの視点は対極的な関係にあるが、決して矛盾するものではない。これらの双方が重要であるとしています。
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