講演会

高齢者や認知症の介護と障がい者や難病患者を支援する情報をご紹介します。

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「人との関わりが希薄な現代だからコミュニケーションの奥深さを楽しめる福祉人材が増えてほしい!」  〜現場に対話の機会を〜
『未来をつくるkaigoカフェ』の主催者 高瀬 比左子氏

平成26年2月15日(土)、日比谷公会堂において開かれた「第7回 日本の福祉現場力を高める研究大会」における特別講演の内容を要約します。

**********************************

高瀬さんは、大学を卒業する時点で、
「自分が本当にやりたいことは何か」
「これからどうしたいのか」

が、全く分かりませんでした。

ある本と出会い、福祉ボランティアに興味を持ち、福祉の世界に飛び込むことになります。

当時、阪神大震災の側面支援として2年ほど関わりをもつと、
「もっと現場を知って貢献できる自分になりたい」
と強く思い始めます。

介護保険制度が始まった年(平成12年)から、訪問介護の仕事に就くことになります。

毎日、訪問介護を続けるが、職員間のコミュニケーションに悩まされ、何度も辞めようと思います。
半面、ご利用者から励まされ癒される日々を過ごし、
「3年後、介護福祉士の資格を取るまで頑張ろう」
「5年後、ケアマネージャーの資格を取るまで頑張ろう」

と、資格取得を目標にかかげ、訪問介護の仕事を続けることになります。

晴れて、ケアマネの資格を取得し、ケアマネージャーの仕事に就きます。

ところが、ここで新たな壁に突き当たります。
「このまま、組織で管理職になるのか」
「ケアマネ職人のような専門職になるのか」


自分の思い描く未来が全くイメージできなくなってしまいます。。。

(次回に続く)

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2014.02.16 10:42 | 講演会 | トラックバック(-) | コメント(0) |
去る3月13日(水)、東京・根津の「みのりCafe」で、「素敵なお仕事 ”介護”~現場を繋ぐ介護職と看護職の役割から~」と題する、小谷洋子看護師の講演を聴きに行きました。

(前回の続きです)

・看護って? けが人や病人の手当てや世話をすること。

・漢字の「看」は、「手(て)」と「目(め)」を合わせたもの。

・現在の看護は、英国の看護師ナンシー・ローパー(1918 - 2004)らが提唱した「生活行動による看護モデル」を起点としており、以下に、その12項目を示します。
01.安全な環境へ配慮する。
02.コミュニケーションをとる。
03.呼吸する。
04.飲食を採る。
05.排泄する。
06.清潔な身なりをし、衣服を身に着ける。
07.体温の調節をする。
08.自分で動くことができる。
09.仕事をし、余暇を楽しむ。
10.自身を男性として、女性として意識し、そのように振舞う。
11.睡眠をとる。
12.死ぬ。


・看護には、「医療の看護」と「生活の看護」とがある。
「医療の看護」とは、
1.治療が目的のため、他律的に管理されることを患者に押し付ける。
2.何らかの原因で落ちた状態を、ものすごい使命感で上の状態に持っていこうとする。病気や怪我を治す、命を救うことが目的で、非日常の生活となる。

一方、「生活の看護」とは、
1.心身ともに下降線の途上にある人に関わる。言い換えると、上手に下降線をたどって着地するための関わり。
2.暮らしを大事にする。施設に入所する前のそれぞれの生活習慣を継続できる関わり。
3.喜怒哀楽の表現ができるような関わり。
4.利用者のペースで関わることができる。
5.上手に生きさせ、上手に死なせる看護。


・介護のプロとは、利用者にそっと寄り添う(心と体)ことの出来る人
それには、利用者の人生観、歴史、家族関係、病気、性格、趣味、環境、最後の望みを熟知する。

これらをアセスメントして、その人らしく生きる、死ぬために支える仕事が介護。あくまでも、利用者のペースに寄り添うことが大切。

・介護のプロになるためには、生活援助がカギ
1.傾聴 心の声を拾っていますか?
2.見守り やる気を安全にサポートすること。
3.暴言 吐かせる環境を整える。そもそも、暴言とは聴く側本位の表現。
4.介護拒否 嫌なことの表現 どんなアプローチがダメかを表現している。

・「ケア」とは、
1.気付く 観察
2.心配する 関心
3.考える 想像、創造
4.行う 実践

・介護のプロになる アマチュアとの違い
1.病気、障害を熟知する 禁止ではなく、できることを探す
2.潜在能力を殺していませんか その人に合った介助技術、知識
3.心と体を孤独にしない 寝たきりにさせない
4.楽しいことを探す 自然に心と体は動く

以上

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2013.03.18 08:10 | 講演会 | トラックバック(-) | コメント(0) |
去る3月13日(水)、東京・根津の「みのりCafe」で、「素敵なお仕事 ”介護”~現場を繋ぐ介護職と看護職の役割から~」と題する、小谷洋子看護師の講演を聴きに行きました。

特養に勤務する看護師の立場から見た介護職についての貴重なご意見を聴くことが出来ました。以下、簡単に内容をご紹介します。

・「介護」って? 利用者さんの心の声を一番そばで感じとれる人のこと。

・介護とは何か ~原点に返って~
介護の「介」とは、心にかける、気にかける、仲立ちをする、という意味。
介護の「護」とは、護(まも)る、かばう、ふせぐ、たすける、という意味。
従って、「介護」とは、「心にかけて、護り助ける」、という意味である。

・数ある「介護」の定義のうち、菊池雅洋氏によるものが最適と思われる。
身の回りの行為(セルフケア)に不便や不自由をきたした人の、支障のある部分を補い、支援するとき、相手の心の負担にならないように、そっと手を差し伸べて彼らの彼ららしい生活が獲得できる手助けを、彼らの尊厳やプライバシーを守りながら行うこと。「当たり前の生活」をごく普通に様々な障害のある方に提供するお手伝いが介護なのだ。

・個人の尊厳とは、個人の尊重ともいい、すべての個人が人間として有する人格を不可侵のものとし、これを相互に尊重する原理を言う。

・尊厳を保持するため、必要なものは個人としての生活、暮らし方を尊重した個別ケア。それにより、人間らしく、そして個人として尊重され、尊厳を保持して生活を送ることが出来る。

(次回につづく)

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2013.03.17 05:16 | 講演会 | トラックバック(-) | コメント(0) |
3月8日(金)、目黒パーシモンホールでの、「認知症の人は世界をどう体験しているか?」と題する、斉藤正彦先生の講演を聴きに行きました。

精神科医の立場から見た、認知症患者さんへの対応について、大変興味深いお話しを聴くことができました。

斉藤先生いわく、
「認知症になると、症状を自覚できなくなる、という人がいます。だから、患者さんの世界観をそのまま受け入れ、すべてを否定せず、その中に、穏やかに暮らせるような援助が大事だ、という人がいます。私はそうは思いません。確かに、アルツハイマー病の患者さんは、自分の記憶障害を認識できません。しかし、自分の頭に何か異常が起こっている、機能が低下している、ということを強く自覚しています。そうした自覚は、患者さんに強い不安を引き起こします。一方、私たちは、患者さんの症状を検査やインタビューで観察します。検査で記銘力障害や見当識障害は評価できますが、これらの症状が引き起こした患者さんの不安や無念、恐怖や悲しみを測ることはできません。」

約90分の講演でしたが、重要なポイントを簡単にご紹介します。

認知症ケアの基本
患者は、介護される客体ではなく、病気を抱えて生きていく主体。
従って、「認知症の人」という言い方はおかしい。

空虚な希望より、冷徹な現実を見据える勇気が必要。
「その人らしさは最後まで残る」とよく言われるが、本当にそうか?

「受容と共感」は、思い上がりと勘違いに過ぎない。
私たちには想像も出来ない喪失感に寄り添うだけ。

「おさな子に還りし妻の幸福を他人のあなたに言われたくない」(内藤定一歌集より)
これと同じで、「他人の心」に立ち入ってはいけない。

医療に求められる対応
最初に気づくのは、他ならぬ本人である。
「何かがおかしい」と本人が感じても、医者に、「年のせいです」と言われ、その結果、最も苦しい年月を孤独に過ごすことになる。

家族が気付く頃には、周囲も気付く。
この段階は、既に、「早期」ではない。治療の主体は最後まで患者さん本人であり、家族は別人格として支援するべき。

介護者が気をつけること
「正しい介護」より「まずまずの生活」を実現する。
幸福は伝染するように、不幸も伝染する。
自分の状況を冷静に見直しておくことが必要。

敵を知り己を知る
正しい知識と技術を学ぶことは大事。
認知症を正しく理解することで介護が楽になる。

失敗にめげない。
専門家が自慢するひとつの成功例の裏には、10の失敗例がある。専門家は失敗を忘れる傾向がある。
うまくいかないのは、あなたのせいではない。

役所との付き合い方は、おもねず、頼らず、喧嘩せず。
文句ばかり言わないで、自分たちで制度、政策を変えていく

介護保険、医療保険制度を守るには、私たちの責任。
どちらも、世界に胸を張れる素晴らしい制度だが、現実は大変な財政危機。
1割、3割負担で、「ご利用者様」、「患者様」などと威張ってはいけない。
政治家や役所任せでは制度を守れない。

最後に、
相手だけ裸にして自分は物陰に隠れていては、コミュニケーションは出来ない。
コミュニケーションは双方向で、嘘から始まる関係はどこまで行っても嘘。


マニュアルでコミュニケーションは出来ない。
誠実なコミュニケーションこそ、「接遇」の本質
「接遇」は、「ケア」の基本
お辞儀の仕方は口のきき方と「接遇」は無関係

以上

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2013.03.11 09:09 | 講演会 | トラックバック(-) | コメント(0) |