漢方医学

高齢者や認知症の介護と障がい者や難病患者を支援する情報をご紹介します。

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睡眠薬による副作用がある高齢者の不眠症には、漢方薬が有効な治療法のひとつです。

高齢で不眠症を訴える方は、それ以外の病気を合併しているケースがよくあります。

漢方では、不眠の改善だけでなく、体質やその他の症状もよく診て処方されます。

不眠に処方される漢方薬
1.帰脾湯(きひとう)
虚弱体質で胃腸虚弱や貧血傾向があり、精神不安、神経症、取り越し苦労をしやすいなどの症状があり、不眠が続く人向け。12種類の生薬で作られています。

2.加味帰脾湯(かみきひとう)
帰脾湯に、さらに2種類の生薬を加えたものです。帰脾湯の適応がある人より、さらに精神症状が強い人に用います。

3.抑肝散(よくかんさん)
認知症の周辺症状にも用いられる抑肝散と抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)も不眠に対して効果が高い漢方薬です。
一般に、虚弱な体質で、神経が高ぶりがちで、神経症などの精神疾患がある人向けの漢方薬です。不眠以外、イライラしやすい、怒りっぽいなどの症状がある人に用いられます。

4.酸棗仁湯(さんそうにんとう)
心身が疲れて眠れないという症状で精神不安や神経過敏などの精神症状を伴う人向けの漢方薬です。そのため、高齢者の不眠症にもよく使用されます。


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2013.08.16 11:58 | 漢方医学 | トラックバック(-) | コメント(0) |
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認知症のうちアルツハイマー病に対しては、「塩酸ドネペジル」という薬が一般的です。

この薬は、アルツハイマー病を治癒する薬ではなく、記憶障害などの中核症状の進行を抑えることが目的に使用されます。

これ以外、認知症の周辺症状を軽減するために、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬、抗精神薬といった西洋薬を高齢の認知症の患者さんに使用した場合、薬によっては副作用が現れます。

最近、いくつかの漢方薬で、認知症の周辺症状を緩和、軽減する効果がみられたと報告されています。

以下にその例をご紹介します。

1.アルツハイマー病やレビー小体型認知症に使われる漢方薬

・虚弱体質で神経が高ぶる人や神経症や不眠症の人に使用
「抑肝散(よくかんさん)」

アルツハイマー病やレビー小体型認知症の人にこの薬を使用すると、妄想、幻覚、興奮、攻撃性、焦燥感などが改善された例が報告されています。

・「抑肝散」の適応がある方よりさらに体力が低下し、胃腸が弱い方に使用
「抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)」

「抑肝散」同様、妄想や幻想などの改善に効果があります。

2.血管性認知症に使われれる漢方薬

・高血圧で慢性の緊張型頭痛がある方に使用
「釣藤散(ちょうとうさん)」

血管性認知症の人にこの薬を使用すると、会話の自発性の低下、表情の乏しさなど「元気のない症状」や幻覚、妄想、夜間のせん妄、睡眠障害など「興奮性の周辺症状」などが改善された例が報告されています。

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2013.08.05 00:01 | 漢方医学 | トラックバック(-) | コメント(0) |
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風邪に対して使われる代表的な漢方薬をご紹介します。

1.初期の風邪に処方される漢方薬

・頭痛、関節痛、腰痛、せきなどの症状がある場合
「麻黄湯(まおうとう」

・上記の症状が軽く、肩や首の後ろにこわばりが目立つ場合
「葛根湯(かっこんとう)」

・皮膚が汗ばんで、症状が激しくない場合
「桂枝湯(けいしとう)」

・くしゃみやせきが出る場合
「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」

・悪寒、寒気が強く、のどの痛みやせきが出る場合
「麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)」
この漢方薬は、体力がない高齢者の風邪にしばしば使われます。

2.一週間たっても、微熱やせきなどの症状が続く場合

・タンやせきが続く場合
「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」

・微熱や食欲不振が続く場合
「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」

一般に、漢方薬には副作用がないと思われがちですが、まれに起こることがあります。

特に注意が必要なのは、「麻黄」という生薬です。

生薬とは、薬効のある植物、動物、鉱物などの天然成分のことです。

「麻黄」には、せきや痛みを鎮静する作用がある反面、含んでいる「エフェドリン」という成分に、交感神経を刺激したり中枢神経を興奮させる作用があります。

その結果、「頻脈、動機、血圧の上昇、発汗過多、排尿障害、興奮、不眠」といった副作用が出ることがあります。

高齢者や持病のある方は、特に注意が必要です。


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2013.08.04 09:15 | 漢方医学 | トラックバック(-) | コメント(0) |
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風邪に対する西洋医学による治療とは、発熱、せき、タンなどの症状に、解熱剤、せき止め、去タン薬を対症療法として使用します。

一方、漢方医学では、西洋医学とは異なった視点から治療を行います。

まず、患者さんの状態や症状を診断して、最適の漢方薬を処方します。

漢方特有の概念として、風邪の診断に関連が深いのは、「虚実」「陰陽」です。

・「虚実」
体力がない虚弱な状態を「虚」、比較的体力のありそうな状態を「実」と判断します。

・「陰陽」
体が寒さに支配された状態を「院」、熱に支配された状態を「陽」と判断します。

漢方医学では、これらに「証」という言葉を付けて、患者さんの状態を表します。

例えば、虚の状態を「虚証」、陽の状態を「陽証」と呼びます。

次に、風邪の症状を虚実で表す場合、症状が激しい状態を「実証」、それほど激しくない状態を「虚証」と呼びます。

また、陰陽で表す場合、熱が出ている状態を「陽証」、もしくは「熱証」とします。通常の風邪は、このような状態が一般的です。

一方、微熱程度で、悪寒や寒気の場合は、「院証」、あるいは「寒証」とします。

元々体力の低下している高齢者や疲労が蓄積している若い人は、風邪をひくと寒気が主体で、症状があまり激しくない陰で虚の状態を示すことがよくあります。

次回、症状に応じた漢方薬をご紹介します。

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2013.08.03 08:48 | 漢方医学 | トラックバック(-) | コメント(0) |